外資生保6年で学んだこと

自分に合った資産形成で、本当にしたい生き方を叶えるための“エレガンス”なマネー術を伝授する、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、マネーコーチの吉森ゆきです。

本日は、お金の知識が全くなかった私が保険会社に転職したことで、お金との関わりがどう変わったかについてお話ししていきます。

保険会社に転職するまでは、内科クリニックで管理栄養士として勤めていました。

経済のことなんて一切勉強したことがなかったし、世間知らず。

お金はあるとすぐ使っちゃうし、貯金はもちろん大の苦手。

貯めるより、使って”今”を楽しみたいって心の底から思っていましたし、仕事頑張って給料を増やして、好きな洋服屋で「あれもこれもください」って自由に買い物ができるようになりたいな、なんて夢をみていました。

そんなお金は”使う”専門のお金音痴な私が、保険会社という金融の世界に飛び込んだことで、どのようにお金との関わりが変わっていったか、またそこで学んだことを、今の人生にどう活かしているのかをお伝えできればと思います。

生命保険販売人として得た知識とは

生命保険という金融商品を扱うにあたって、いくつもの資格を取りました。

生命保険の仕組みを知ることはもちろん、その他の金融商品のこと、税金のこと、年金や社会保険、お金に関係する幅広い知識を習得していきました。

それまで普通預金と定期預金くらいしか知らなかったので、どんな知識もとても新鮮で、「これを知っていたら、どんなに生活の役に立つんだろう、早くたくさんの人に伝えたいな」という思いが、学べば学ぶほど大きくなっていったなあと思い出します。

また、個人の生活に密着したお金の知識だけじゃなく、法人の経営戦略にも役立つ知識を学べることもとても楽しかった。

実家が会社経営をしていたので、学んだことを活かして経理のお手伝いをするようにもなっていきました。

お金の知識、知るのと知らないのとの違い

私がそうであったように、お金のことって大人になるまで学ぶ機会がありません。

働いていれば当たり前にもらえて、いつも当たり前に使っているものだから、あえて「学ぶ必要がある」って思えないのかもしれません。

お金、お金っていうのははしたなない、とか、お金の話したらガメツイとか思われるとか、変な先入観もあるし、「お金のことは言わない」という日本人の美徳みたいなものもありますよね。

だからこそ、本当は知りたいのに聞く場所がなかったり、相談ができなかったり。

お金の知識を得ようとしても得難いという現実があるのではないでしょうか。

私はたまたま保険会社に転職したことによって、お金のことを学ぶことができました。

保険を売る人という肩書きだけに収まりたくなかったので、お金に関する周辺知識、知っていたらどんなにお得か、というネタを一生懸命探していき、お金の知識を総合的につけていくことができました。

しかし幅広く学びながら気づいたことは、「難しい知識を知らなくても、ちょっと知るだけでも差は大きい」ということでした。

例えば、控除を使って所得税や住民税を少なくすることができたり、社会保険料の負担も小さくすることもできたりします。

給与収入を増やすことをしなくても、ちょっとした工夫で手取りを増やすことができるのです。

1年間の違いはそんなに大きくないかもしれませんが、年数を重ねれば大きくなりますし、また浮いたお金の使い方次第で、将来の資産はかなり大きな差となっていきます。

反対に、知らないままだと利益を取り損なっていることであり、「損」を積み重ねているとも捉えられます。

生活に密着する知識から学んでいこう

お金の知識を学びたいと思ったときに、「どうやったらお金は増えるのか」ということから始めようとする人が多いですが、それよりもまず、自分の生活の身の回り、いつも使っているお金を整えていくことから始めましょう。

家計の支出を把握し、何にどれくらい使っているのかをきちんと知るところからです。

毎月の支出の中で大きな割合を占めるのが、住宅ローンや生命保険料。

特に生命保険は、その入り方によって将来の資産形成に大きな差を生みます。

加入の仕方は、あなたの今の生活や叶えたい未来にマッチしたものになっているでしょうか?

将来の貯蓄を生命保険で準備する方がとても多いのですが、他の手段は検討されたでしょうか。

また、税金については自分がどのような根拠から、どれだけの負担をしているのか、把握されていますか?

日本では給与天引きというシステムがあるために、自分がどれくら納税しているのかを他人任せにしてしまっている方がほとんどです。

年末調整や確定申告で見逃している控除があれば、収入は同じでも、使えるお金は増やすことができます。

ちょっとした知識があることで、お得にできることがいろいろあるのです。

お金の知識といえば、「増やす」ことにフォーカスしがちですが、まずは、余分な出費を抑えたり、取りこぼしている収入を拾ったり、ご自身のお金のザルをボールに変える「お金の使い方」を見直していきましょう。

お金の使い方を見直して、豊かさの土台をつくる

私が生命保険会社に転職していちばん学んだことは、お金の知識はちょっとしたことでも大きな差を生むこと、家計を総合的に見ていくことの大切さです。

ただ提案された保険という商品を買うか、買わないか、ということだけでなく、他の金融商品や、税金や社会保険の知識と合わせて考える。

また、商品を買うか買わないか、ということ以前に、自分の幸せのためにどういう未来を叶えたくて、そのためにどれだけの準備が必要なのか、を考えることも大切です。

それはひとりでは難しいかもしれません。商品の販売を抜きにして、あなたにとってのベストを導き出してくれるような、お金の専門家に相談できるといいですね。

自分のお金のことは自分で守って育ていく必要がある時代ですし、ぜひ一歩勇気を出して、生活に密着した知識を学ぶところから始めてみていただけたらなと思います。