実質賃金の低下で考えたいこと

自分に合った資産形成で、本当にしたい生き方を叶えるための“エレガンス”なマネー術を伝授する、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、マネーコーチの吉森ゆきです。

厚生労働省による、1月の毎月勤労統計調査において

実質賃金4.1%減

という数値が発表されました。

これはリーマンショックの影響が残る09年12月(4.2%減)と同程度の水準とのこと。

史上最悪の大恐慌と言われた時期と同程度の水準という、どれだけ今が厳しいかが伺えます。

働いて得られる収入の確保は厳しい状況の中、私たちはどんな対策をしていけば良いのでしょうか。

実質賃金とは

賃金には、名目賃金と実質賃金があります。

名目賃金

名目賃金とは、現金支給総額であり、実際に「いくらもらったか」の金額です。

名目賃金は上記同調査にて、0.8%増と13ヶ月連続で増えています。

実際に手にするお金は増えているのですね。

実質賃金

一方、実質賃金とは、物価変動を考慮し計算された金額です。

こちらは前年同月比4.1%減とのこと。

10ヶ月連続で減少、しかも1991年以降で過去最大の減少幅でした。

実質賃金の計算に用いられている物価上昇率は、23年1月に5.1%。

賃金は、実際に手元に入る金額ベースでは若干増えていますが、世の中の物価上昇を考慮すると、大幅に増えているということです。

30万円の収入の人で例えると、12,300円分ほど生活費を圧迫している計算になります。

実質賃金の低下で変化する私たちの生活

実質賃金の低下がこのまま続いていくと、私たちの生活はどのように変化していくのでしょうか。

日本は1990年年代はじめ頃のバブル崩壊後から、30年ほどデフレが続いてきました。

デフレとは物価が下がるということ。

過去30年近くも、モノの値段は上がらずに来たんですね。

名目賃金は横ばいなら、生活も横ばい。

少しでも賃金が多くなれば、その分豊かになれました。

しかし、昨年から物価が大きく上昇しはじめました。

今までと同じように暮らしていても、生活費は多くかかります。

物価が上がる以上に、収入も増やしていかなければ、今までと同じ生活ができない時代になってきているのです。

かといって、これまで以上に労働を増やし、収入アップを目指すことができるでしょうか。

特に女性は、働くだけではなく、家事や育児もあり、労働時間を増やすには限界があります。

実質賃金を上げるために、私たちができることとは

実質賃金が上がらない今、これまでと同じルーティンで労働収入を確保しても、同じ生活を守っていくのは難しい時代になってきました。

発想を変え、別の収入を得ることを考えていく必要が出てきているのです。

副業をお考えの方も多いかと思います。

これまでの自分の経験やスキルを活かしたり、自分の好きなことでビジネスを起こし収入を得ることができたら、人生の質が向上していきそうですね。

しかし、これも自分の時間や体力を使って、収入を得ていく労働収入です。

毎日タスクの多い女性にとっては、並大抵のことではありません。

そこでお勧めなのが、資産収入を作るということです。

お金にも働いてもらうという発想です。

銀行預金に貯めるという習慣から抜け出し、物価の上昇以上に、お金が増えるところに預けていくことを考えていきます。

資産収入をつくるスキルアップを

資産と聞くと、「お金持ちの話だ、私には関係ない」と感じてしまう方もいるかもしれません。

ですが、大きな金額がないと、資産が持てないかというとそうではありません。

資産となるものは、100円から買うことができるものもあり、誰でも持つことができるのです。

これを自分の無理のない範囲から少しずつ買い増していくことで、いずれ大きな資産となり、あなたの生活費を補ってくれる収入を生み出してくれるようになっていきます。

資産を買っていくとは、投資をすることです。

ここ最近は、証券会社の口座開設数がどんどん増えており、投資を始める人が増えています。

しかし、ただ始めれば良いというものではなく、どうしたら失敗することなく安全に投資ができるのか、知識を得てから始めたいところです。

また、知識がないからと証券会社や銀行の窓口でお勧めされた商品を買うという選択肢もお勧めできません。

ひとつの参考として聞く程度に留め、自分自身で自分に合った商品を選べるようになるスキルを身につけていくと良いでしょう。

実質賃金に頼らない安心した暮らしを

労働収入だけに頼らず、お金にも働いてもらい、収入の柱を増やすことができれば、どんな時代になっても安心して暮らしていけます。

特に女性はライフステージによって、思うように働けなかったり、教育・介護・医療など、お金の心配事が増えることが起きていきますが、収入の柱を持つことで乗り越えていくことができるでしょう。

これまでは、お金の知識がなくても預金さえしておけば安心した暮らしが叶ってきましたが、これからはそうはいかないのです。

お金の知識は学んだだけ、実生活に役立つものばかりですし、より豊かな人生を送るために必ずプラスとなってくれますから、ぜひチャレンジしてみてください。

お金を味方にして、自分の本当はこういきたい!という理想のライフスタイルを叶えていきましょう。