金利上昇で資産が増える家計、減る家計|住宅ローンと金融資産の見方
2026年6月、日銀は政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げました。報道では31年ぶりの高水準とされ、私たちの家計にも少しずつ影響が出てきています。
金利が上がると聞くと、住宅ローンの返済が増えるのではないか、借りているお金の負担が重くなるのではないかと不安になる方も多いと思います。
一方で、普通預金や定期預金など、預けているお金の金利も以前より上がってきています。つまり金利上昇は、家計にとって一方的に悪い話ではありません。
大切なのは、金利が上がったときに「資産が増える家計」と「資産が減りやすい家計」の違いを知っておくことです。

目次
政策金利とは何か
政策金利とは、日銀が景気や物価を調整するために決める金利のことです。
景気が過熱し、物価が上がりすぎるときには、金利を上げることでお金を借りにくくし、経済活動を少し落ち着かせようとします。反対に、景気が弱いときには金利を下げて、お金を借りやすくすることで経済を動かそうとします。
金利には、大きく分けて短期金利と長期金利があります。
- 短期金利:期間が1年未満の金融取引に関わる金利
- 長期金利:期間が1年以上の金融商品や借入に関わる金利
普通預金や定期預金も、金融商品のひとつです。金利が上がると、預けているお金が以前より増えやすくなる面があります。
金利上昇で資産が増える家計、減る家計
金利が上がると、金融資産を多く持っている家計では、預金や債券などから受け取れる利息が増えやすくなります。
一方で、住宅ローンなどの借入が多い家計では、返済負担が増える可能性があります。
つまり、金利上昇の影響を見るときは、「ローンがあるかどうか」だけでは不十分です。
見るべきなのは、家計全体です。
- 金融資産よりローンの方が大きい家計
- ローンはあるけれど、それ以上に金融資産を持っている家計
- 金融資産をどう育てる選択肢を持っているか
この違いによって、金利上昇が家計に与える意味は変わります。

住宅ローンはすぐ返せばいいのか
住宅ローンがあると、「借金は早く返した方がいい」と考える方も多いと思います。
もちろん、返済期間が長いものや金利が高いものは、繰上返済を検討する価値があります。借入金利が高ければ、その負担を減らすことは家計改善につながります。
ただし、持っている金融資産をすべて使って住宅ローンを返してしまうと、手元資産がほとんど残らない状態になることもあります。
借金は減ったけれど、資産もゼロに近くなる。その場合、また一から資産を積み上げる必要があります。
家計にとって大切なのは、ローンをなくすことだけではありません。手元資産をどう残し、どう育てるかも同時に考える必要があります。
借金を悪と決めつけない
ローンは、単なる「悪い借金」ではありません。お金を調達するための手段です。
問題は、借りていることそのものではなく、そのお金をどう扱うかです。
たとえば、住宅ローン残高が1,000万円あり、金利が1%だとします。一方で、金融資産も1,000万円あり、それを年1.5%で運用できるとすれば、単純計算では差額の0.5%分、家計全体ではプラスになります。
1,000万円の0.5%は、年間5万円です。
さらに、もし年5%で運用できる資産があれば、住宅ローン金利1%との差は4%。1,000万円に対して年間40万円の差になります。
もちろん、運用にはリスクがあります。税金、手数料、価格変動、元本割れの可能性もあります。だからこそ、単純に「ローン金利より高く増やせばいい」と考えるのではなく、リスクを理解したうえで家計全体を設計することが大切です。

金利上昇の時代に必要なのは選べる知識
金利が上がる時代には、ただ怖がるだけではなく、選択肢を持つことが必要です。
住宅ローンを返すのか。資産を残して育てるのか。預金に置くのか。債券を使うのか。投資信託など別の資産形成を組み合わせるのか。
どれかひとつが全員にとって正解というわけではありません。
家族構成、収入、住宅ローン残高、手元資金、働き方、これからの暮らし方によって、合う選択は変わります。
だからこそ大切なのは、「わが家ならどうするか」を考えられることです。
お金の知識は、不安を増やすためのものではありません。自分の選択肢を増やすためのものです。
金利が上がる今だからこそ、借金をすぐ悪と決めつけず、持っている資産と借りているお金を家計全体で見直してみる。
その視点が、これからの資産形成には必要になっていきます。
家計や資産形成を考えるとき、まず大切なのは「わが家の場合はどうか」を見えるようにすることです。
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お金の不安を責めるのではなく、これからの選択肢を考えるきっかけとしてご活用ください。

