児童手当支給の改正について思うこと

自分に合った資産形成で、心豊かなライフスタイルを創るための“エレガンス”なマネー術を伝授する、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、マネーコーチの吉森ゆきです。

児童手当の支給を巡って、政府から改正案が出されています。

対象年齢を18歳までに引き上げる、所得制限の撤廃、多子世帯への加算などです。

少子化対策を具体化するために、とのことですが、この制度改正によって出生率などの変化は起きていくのでしょうか。

児童手当の支給とは

私は3人の子供を育てていますが、所得制限の上限額に達しているため、ひと月あたりの支給額は15,000円です。

支給対象自動 1人あたり月額
0歳~3歳未満 15,000円(一律)
3歳~小学校終了前 10,000円
(第3子以降は15,000円※)
中学生 10,000円(一律)

※「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育しているお子さんのうち、3番目以降をいいます。

引用元:内閣府「児童手当Q&A」

所得制限がなければ、45,000円の支給ですから、その差はずいぶんとあります。

所得制限の撤廃と、多子世帯への加算も追加が決定されれば、家計への影響はかなり大きくなります。

ですが経済的な援助が増えるからと、すぐに子供を産もう、子供を増やそうとはならないのが現実かと思います。

子供を産まないのは、お金がかかるからという理由だけではないからです。

子育てと女性が働くということ

以前は、女性が家庭に入り子育てや家事を行うことが当たり前、という時代もありました。

昨今では、女性が社会で活躍するようになり、仕事にやりがいを持ち、仕事を継続していきたいという女性が増えているかと思います。

ですから結婚し出産しても、仕事を辞めるという選択を安易にするのではなく、どう両立していくかを考えていきます。

私も、第一子出産の時は銀行員としてお勤めしていましたが、仕事への情熱が高く、会社の制度を活用しながらどう働くかを真剣に考えました。

経済的に大変だから働き続けよう、ではなく、仕事が好きだったから続けたかったのです。

仕事を一生懸命して、人の役に立ったり、自分を活かしながら成長して社会で認められるようになる、というのは自己実現です。

自己実現は女性にとっても人生を充実させる大きな要素です。

その自己実現への情熱で、出産という選択肢の優先順位が低くなるのは仕方のないこととも思います。

ですから、ただ経済的な援助があったとしても「じゃあ子供を増やそう」ということにはならないと思うのです。

児童手当の活かし方を考える

そこで、私が少子化対策に有効だと思うことは、理想の母親像の変革です。

母親はこうあるべき、家事も育児も母親がひとりで抱え込んでしまう、といった考え方を、女性自身が変えていくということです。

欧米では、シッターや家事代行を当たり前に利用し、女性は育児のためにキャリアを諦めたりせず、社会で活躍しています。

何でも自分ひとりで抱えずに、自分の生きたい人生をしっかり軸にして、他人の力を借りるのが上手なのだと思います。

育児のためにキャリアを諦める女性が少ない、というのはアメリカに住んでいたことのある女性からも聞きました。

私も家事代行サービスを日常的に利用しており、家事育児の負担を減らしています。

1日2時間、1時間あたり3,000円ほどから利用できます。

私は週3回ほどお願いしていますが、家の片付けと夕食の支度の負担が減り、おかげで仕事を目一杯頑張っても、子供との関わりにも心のゆとりを持つことができています。

しかし、家事代行やシッターの利用は知っているけどお金がかかるし、自宅に他人が入ることに抵抗があって一歩踏み出せないという方も多いかと思います。

費用に関してはベビーシッターの利用には、お勤め先の福利厚生や、政府からの援助もあります。

利用の初め頃はなるべく在宅するようにし、代行さんと会話したりどんな人なのか様子を伺うのも良いかと思います。

もちろん私にも初めは抵抗感がありましたが、そのストレスよりも、メリットの方が絶大に大きいと感じています。

これは実際に利用してみたからこそ実感としてわかることですので、ぜひ皆さんにも一度体験してみることをお勧めします。

家事育児の負担が減ることで、家庭円満を保ちつつ、仕事をしっかり頑張ることができ、将来的な収入アップを目指すこともできます。

今一時の出費だけを考えるのではなく、未来にどうつながるかを考えてお金を使うという意識を持つことが大切かと思います。

真の経済的自立を叶えていこう

児童手当支給の改正によって、収入増加分をただ貯金する、ただ消費に使うだけではなく、未来への投資となる上手な使い道を考えるきっかけになればいいなと思います。

少子化対策のためには経済的援助だけではなく、他にも改善しなければいけない社会問題がたくさんあるかと思いますが、まずはこの援助をどう役立てるのかをしっかり考えていけるといいですね。

女性が子供を持っても持たなくても、情熱や使命感を持って仕事をし、経済的な自立を叶えていく社会が実現していくといいなと思っています。