女性が頑張るだけで、暮らしは回らない。子育て支援とお金の使い方から考えたこと

東京都で、出生数が10年ぶりに増加に転じたというニュースを見ました。

数字だけを見ると、前年比1%の増加です。

たった1%と思う人もいるかもしれません。
でも、少子化が続いてきた流れの中で、増加に転じたというのはとても大きなことだと思います。

背景には、子育て支援への予算や制度の積み重ねがあります。
高校授業料の支援、保育料の無償化、医療費助成など、地域によって内容は違いますが、子育てを社会全体で支えようとする動きは少しずつ広がっています。

私自身も、名古屋から静岡へ引っ越してきたとき、子どもの医療費や学童の仕組みの違いに驚いたことがありました。
住む場所によって、子育てのしやすさはこんなにも違うのだと感じたのです。

子育て支援は、10年かけて暮らしを変える

地域の中でひと息つける場所
子育ては、家庭の中だけで完結するものではありません。

制度は、今日変えたから明日すぐに結果が出るものではありません。

東京都の子育て支援も、10年という時間をかけて積み重ねられてきたものです。
予算をつけ、制度を整え、少しずつ利用しやすくしていく。

その積み重ねが、ようやく数字として表れてきたのだと思います。

これは、政策の話だけではありません。
私たちの暮らしやお金の使い方にも、同じことが言える気がします。

すぐに結果が出ないと、不安になる。
数日やって変わらないと、意味がないように感じる。
一か月続けても成果が見えないと、やめたくなる。

でも、本当に暮らしを変えるものほど、時間がかかります。

お金の知識も、資産形成も、働き方も、家族との関係も。
一気に変えるというより、少しずつ積み重ねていくものなのだと思います。

女性の社会進出は、女性の頑張りだけでは続かない

働く女性がパソコンに向かう様子
働くことが増えても、女性だけが抱え込む形では続きません。

女性が働きやすくなること。
社会で力を発揮できること。

それ自体は、とても大切なことです。

実際、日本の労働力は、女性や高齢者の参加によって支えられている面があります。

けれど一方で、女性が働きやすくなった分だけ、女性の負担が増えているように感じることもあります。

仕事もする。
家事もする。
育児もする。
家族の予定も把握する。
子どもの将来も考える。

「私が頑張れば、なんとかなる」
「子どものために、もう少し頑張ろう」
「家族のためだから、私が我慢すればいい」

そうやって、自分を後回しにしてしまう女性は少なくないと思います。

でも、自分を置いてけぼりにしたままでは、暮らしは長く続きません。

家族のために頑張っているはずなのに、気づけば自分が疲れきっている。
よかれと思ってやっているのに、家庭の空気が重くなる。

そんなことも起きてしまいます。

お母さんがいつも機嫌よくいること。
自分の人生をちゃんと大切にしていること。

それは、家族にとっても大きな安心になるのだと思います。

頼る力も、お金を使う力も、暮らしを守る力

ソファで本を読む女性
休むことや頼ることも、暮らしを守る大切な選択です。

これからの女性に必要なのは、ただ頑張る力だけではないと思っています。

制度を知ること。
人に頼ること。
地域や家族を巻き込むこと。
お金を使って時間をつくること。
学びに投資すること。

そういう力も、暮らしを守る力です。

たとえば、家事代行や一時保育、習い事の送迎、便利なサービスにお金を使うこと。

それを「贅沢」や「手抜き」と考えるのではなく、自分の時間と心の余白をつくるための選択として見てもいいと思います。

浮いた時間で休む。
子どもと穏やかに過ごす。
仕事の力をつける。
お金の知識を学ぶ。
未来の自分に必要な準備をする。

そう考えると、お金の使い方は単なる支出ではなく、暮らしを整えるための設計になります。

もちろん、何でもお金で解決すればいいという話ではありません。

でも、「自分が全部抱えれば無料で済む」と思い続けることは、見えないところで自分の体力や感情を削っていることもあります。

自分を置いてけぼりにしないお金の使い方へ

子育て支援の制度が整うことは、とても大切です。

でも、制度だけですべてが解決するわけではありません。
地域によって差もありますし、家庭によって必要な支えも違います。

だからこそ、国や自治体の制度を知りながら、自分自身でも「どう暮らしを整えるか」を考えていくことが大切なのだと思います。

女性がお金の知識を身につけること。
投資思考でお金を使うこと。
未来の自分に返ってくる使い方を考えること。

それは、資産を増やすためだけではありません。

自分を置いてけぼりにしないため。
家族のために頑張りすぎて、自分が苦しくならないため。
自分も周りの人も大切にできる暮らしをつくるため。

お金を学ぶ意味は、そこにもあると思っています。

女性がもっと自由に、しなやかに、自分の人生を選んでいけるように。

頑張るだけではなく、頼る力、選ぶ力、お金を扱う力を、少しずつ育てていきたいですね。


参考:東京都 知事記者会見 2026年6月5日内閣府「令和7年度 年次経済財政報告」厚生労働省「令和7年版 労働経済の分析」